LUTとは
読み:らっと英語:LUT (Look-Up Table)
更新日:2026年10月31日
ひとことで
LUT(ルックアップテーブル)とは、入ってきた色を、あらかじめ決めておいた対応表にしたがって、別の色に置き換える仕組みです。
ひとに説明するなら
「LUT は、色の置き換え表のこと。『この色が来たら、この色にする』というルールを、たくさん並べたファイルなんだ。映像にかけると、そのルールどおりに全体の色が変わる。作った色をファイルにしておけば、別の映像や別のソフトでも同じ色にできるのが便利なところ」
たとえるなら
辞書に近いものです。辞書で「りんご」を引くと「apple」と書いてあるように、LUT で「この色」を引くと「あの色」と書いてあります。引くだけなので速く、誰がいつ引いても同じ答えが返ってきます。
しくみ
LUT がしていることは、「表を引いて、色を差し替える」ことだけです。デジタルの映像や写真は、小さな点(画素)の集まりで、ひとつひとつの点が赤・緑・青の3つの数字で色を持っています。LUT をかけると、すべての点が表を引き、書いてある色に置き換わります。
LUT は「明るくして」といった命令ではなく、答えが書かれた表です。だから、同じ LUT を同じ素材にかければ、ほぼ同じ色になります。色づくりを保存して持ち運べるのはこのためです。裏を返すと、LUT は素材の状態を見て判断することができません。暗すぎる映像も、白がずれた映像も、表のとおりに置き換えるだけです。
- 入力の色映像のひとつひとつの点
- 対応表(LUT)この色ならこの色に
- 出力の色置き換わった色
1D LUT と 3D LUT
1D LUT は、赤・緑・青をそれぞれ別々の曲線で置き換えます。明るさやコントラストの調整に向いていますが、「この緑だけ黄色寄りに」のような、特定の色だけの変化はできません。
3D LUT は、赤・緑・青を3本の軸にした立方体の中に、色の答えを並べた表です。ある緑だけを動かし、近くの肌色は動かさない、といったことができます。映像の色づくりで「LUT」と言えば、たいていは 3D LUT のことです。
| 1D LUT | 3D LUT | |
|---|---|---|
| 見ているもの | 赤・緑・青を別々に | 赤・緑・青の組み合わせ |
| 得意なこと | 明るさ、コントラスト、ガンマ | 色相や彩度も含めた雰囲気づくり |
| よく使われる場面 | モニターの調整、明るさの変換 | 映像のルック、Log からの変換 |
格子の数と、そのあいだの色
3D LUT は、すべての色の答えを持っているわけではありません。立方体を格子状に区切り、その交わる点の答えだけを持っています。格子の数は 17、33、65 がよく使われ、33 なら 33 × 33 × 33 = 35,937 個の点です。点と点のあいだの色は、まわりの点から計算で補います。
この計算のしかたはソフトによって少し違うため、同じ LUT でも、ソフトが違うとごくわずかに色が変わることがあります。格子の数は、.cube ファイルの中に「LUT_3D_SIZE 33」のように書かれています。
5×5×5 の格子。125 色ぶんの答えを持ちます
変換用の LUT と、演出用の LUT
変換用の LUT は、色の「通訳」です。Log で撮った白っぽい映像を、ふつうの画面で正しく見える色(Rec.709 など)に直すために使います。演出用の LUT は、色の「味つけ」です。夕方の光、湿った森、乾いた砂のような雰囲気を映像にのせます。
演出用の LUT の多くは、ふつうの色の映像にかける前提で作られています。Log の素材は、まず変換用の LUT で通常の色に戻し、そのあとに演出用の LUT をかける、という二段の順番が基本です(Log にそのままかける前提の LUT もあるので、配布元の説明を確かめます)。
- Log の映像白っぽく薄い
- 変換用 LUT色を戻す
- 通常の色Rec.709 など
- 演出用 LUT味をつける
- 仕上がり雰囲気がのる
かける順番と、強さ
LUT は 100% でかけるものと決まっているわけではありません。ソフトの不透明度やミックスで効き具合を下げたり、調整レイヤーにかけて不透明度を下げたりできます。目安にしたいのは肌と空です。迷ったら、一段弱いほうを選ぶと仕上がりが落ち着きます。
- 整える:明るさ(露出)と白(ホワイトバランス)を合わせる。Log なら変換用 LUT で通常の色に戻す
- 味をつける:演出用の LUT をかける
- 仕上げる:強さを決め、肌や空など気になるところだけを少し直す

パレット Horizon Code の LUT
主なソフトでの、かける場所
| ソフト | 演出用の LUT をかける場所 | 補足 |
|---|---|---|
| Premiere Pro | Lumetri カラーの「クリエイティブ」の Look で .cube を読み込む | 変換用は「基本補正」の入力 LUT |
| DaVinci Resolve | カラーページでノードを右クリックして LUT を選ぶ | .cube は LUT フォルダに入れて一覧を更新 |
| Final Cut Pro | エフェクトの「カスタム LUT」 | .cube と .mga が読み込める |
| Photoshop | 調整レイヤーの「カラールックアップ」 | レイヤーの不透明度で強さを調整 |
よくある勘違い
勘違いLUT をかければ、どんな映像もいい色になる
ほんとうは素材の状態がそのまま結果に出ます。先に明るさと白を整えることが近道です。
勘違いLUT をかけると、画質が良くなる
ほんとうはLUT は色を置き換えるだけで、白く飛んだ空や黒くつぶれた影の中身は戻りません。
勘違い強くかけるほど、それらしくなる
ほんとうは効きが強いほど、肌や空の違和感も強くなります。
勘違いどの LUT も、どの素材に同じように効く
ほんとうはLUT は、ある前提の素材に合わせて作られています。前提と違う素材では別物のような色になります。
COLOR JOURNEY で使うには
COLOR JOURNEY のパレットには、それぞれ映像用の LUT(.cube)がついています。パレットの6色から計算してつくる演出用の LUT で、映像の明るさに合わせて、暗いところにはパレットの暗い色の色みを、明るいところには明るい色の色みを、少しずつ足します。明るさはほぼそのままに、色みだけを乗せるつくりです。
前提にしているのは、ふつうの色(Rec.709/sRGB)で撮った映像です。Log からの変換は含んでいないので、Log の素材は先に通常の色に戻してからかけてください。格子の数は 33 です。
選ぶときは、素材に近い光のパレットを。夕方の映像ならあたたかい光のパレット、曇りの日の映像ならくすんだ静かなパレットが、自然になじみます。各パレットのページでは、人物や風景などのサンプル写真や、自分の写真で、かけた様子を確かめられます。そして、明るさと白を整えてからかけてください。
無料の LUT は、標準の効き具合が「中」で、スライダーで調整してダウンロードできます。秋のLUTセットに入っている4色は、無料では「中」のみです。
秋のLUTセット Vol.1 は、Golden Grove、Ember Dusk、Moss River、Desert Blush の4パレットを、効き具合3段階(soft 35%/standard 55%/strong 80%)の LUT にまとめたセットです。スウォッチ、CSS、トークン JSON も入っています。価格は1,500円(税別)です。
LUT と一緒に、カラーコード、スウォッチ(.ase)、CSS、トークン JSON もダウンロードできます。映像には LUT を、テロップやサムネイルにはパレットの6色を使うと、作品全体が同じ空気をまといます。素材はすべて商用利用ができますが、ファイルそのものの再配布や販売はできません。
参考になるパレット
クイズ
LUT がしていることに、いちばん近いのは?
映像を見て、合う色を自動で考える
ちがいます。答えは「決められた対応表にしたがって色を置き換える」。LUT は表を引いて置き換えるだけです。
決められた対応表にしたがって色を置き換える
正解です。答えは「決められた対応表にしたがって色を置き換える」。LUT は表を引いて置き換えるだけです。
足りない明るさの情報を補う
ちがいます。答えは「決められた対応表にしたがって色を置き換える」。LUT は表を引いて置き換えるだけです。
「この緑だけ少し黄色寄りに」ができるのは?
1D LUT
ちがいます。答えは「3D LUT」。1D LUT は赤・緑・青を別々に扱うので、特定の色だけは動かせません。
3D LUT
正解です。答えは「3D LUT」。1D LUT は赤・緑・青を別々に扱うので、特定の色だけは動かせません。
どちらもできない
ちがいます。答えは「3D LUT」。1D LUT は赤・緑・青を別々に扱うので、特定の色だけは動かせません。
Log の映像に演出用 LUT をかけるときの順番は?
演出用 → 変換用
ちがいます。答えは「変換用 → 演出用」。まず通常の色に戻してから、味をつけます。
変換用 → 演出用
正解です。答えは「変換用 → 演出用」。まず通常の色に戻してから、味をつけます。
演出用だけで十分
ちがいます。答えは「変換用 → 演出用」。まず通常の色に戻してから、味をつけます。
よくある質問
LUT は何の略で、何と読みますか?
Look-Up Table(ルックアップテーブル)の略で、「ラット」と読むのが一般的です。
LUT とフィルターやプリセットは何が違いますか?
LUT は「この色をこの色に」という答えを書いた表で、プリセットは調整の設定値をまとめたものです。LUT は別のソフトに持ち込んでも、ほぼ同じ色を再現できます。
.cube ファイルとは何ですか?
LUT を保存するためのテキスト形式のファイルです。多くの映像編集ソフトで読み込めます。
1D LUT と 3D LUT は、どちらを使えばいいですか?
映像の雰囲気づくりには 3D LUT を使います。1D LUT は明るさやコントラストの調整向きです。
3D LUT の格子の数は、33 と 65 のどちらがいいですか?
格子の数が多いほど細かく正確になり、そのぶんファイルも大きくなります。向いている数は、素材や使い道によって変わります。
LUT は写真にも使えますか?
使えます。たとえば Photoshop では、調整レイヤーの「カラールックアップ」から 3D LUT ファイルを読み込めます。
Log で撮った映像に、演出用の LUT を直接かけてもいいですか?
多くの場合、先に変換用の LUT で通常の色に戻してからかけます。演出用の LUT の多くは、通常の色(Rec.709)の映像を前提に作られているためです。
LUT をかけたら色が強すぎました。どうすればいいですか?
ソフトの不透明度やミックスで効き具合を下げるか、効きの弱い LUT に替えてください。
LUT は自分で作れますか?
作れます。たとえば Premiere Pro では、Lumetri カラーで作った色を .cube として書き出せます。
COLOR JOURNEY の LUT は無料で、商用利用もできますか?
無料で、商用利用もできます。無料の LUT は、標準の効き具合が「中」で、スライダーで調整してダウンロードできます(秋のLUTセットに入っている4色は、無料では「中」のみです)。LUT ファイルそのものの再配布や販売はできません。
COLOR JOURNEY の LUT は、Log で撮った映像にも使えますか?
ふつうの色(Rec.709/sRGB)の映像を前提にしていて、Log からの変換は含んでいません。Log の素材は、先にメーカーの変換用 LUT などで通常の色に戻してからかけてください。
関連する言葉
参考
- Adobe Cube LUT Specification 1.0(参照元の記載)
- What's the Difference Between a 17grid 3D LUT and a 65grid 3D LUT?(4K Shooters)
- Get Better Results Using LUTs with Lumetri Color in Premiere Pro(PremiumBeat)
- Applying a LUT in Premiere(Emerson College)
- How to Add LUTs to DaVinci Resolve in 4 Steps(Boris FX)
- Final Cut Pro X 10.4 Working with LUTs(Larry Jordan)
- カラールックアップで写真の色を変える(Adobe)








